新プロダクト「Magic Moment Playbook」のフロントエンド開発を担う盛 慎 (もり まこと)。前職野村総合研究所 (NRI) では、オープンソースを用いたシステムの構築、エンハンスメント、営業提案 (プリセールス)、セミナー講演、R&D など、様々な業務を担当。また、サンフランシスコのデザインファームにてデザイン思考を習熟。周囲のスタートアップマインドに触発され、帰国後、若手を中心として新しいものを生み出す「Arumon」という社内コミュニティの立ち上げに参画。Arumonの活動をきっかけとして、新規事業創発に専任で取り組みイントレプレナーとして活躍。その後、ロイヤリティプログラムのシステム改修でフロントエンド開発を担当。2020年Magic Momentに入社。今回は入社のきっかけや、成し遂げたいことを聞いてみました。
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Magic Momentで非効率なものを効率化したい
Magic Momentに入社する前はSIerにいました。
業務内容としては、設計から開発までを担当しており、上流工程をメインにやっていましたね。金融関係のシステムのフロントエンド開発や、流通業界のバックエンド開発、また、社員の生産性を向上させるための自社プロダクト開発などをしていました。技術的には、新規技術獲得のR&Dを中心にやっており、NoSQL、全文検索アルゴリズム、コンテナオーケストレーション、深層学習などを中心に携わっていました。
また業務とは別で、若者で集まって新しいものを生み出す「Arumon」という活動をしていました。「普段の業務を離れて開発したいものがある」「自分たちの手で新しいビジネスを生み出したい」そんな志のある若手が自らを鍛えて、ビジネスに革新を起こす実践の場を目指すという想いで作られた組織です。Arumonで活動していた背景は、当時同僚や社外の仲間と様々なハッカソンに出ていたのですが、せっかくハッカソンでワクワクして新しいものを作ったのに、次の日からその気持ちを忘れてレガシーなシステムに向き合う仕事に戻るのはもったいないなという思いがあったんですよね。
やがてArumonの活動がNRIの役員に認められて、非公式の有志活動としてではなく予算をとり、業務として新規事業創発にフルコミットして欲しいと言われ専任で取り組むことになりました。フィンテック領域のイントレプレナーとして、フィンテックサミットに出展したり、アプリのプロトタイプを作って関係各社に行脚したりもしてましたね。その後、自分たちだけで顧客を開拓するのに限界を感じ、コンサルと一緒に新規事業をしたり、お客様の新規事業のPoCの支援もやっていました。
こうした活動をしている中でエンジニアとしてのスキルは高めていたものの、仕事としてやりたいことが、”モノづくりをしたい”というフワッとしたものしかなかったんです。子供の頃からの夢がプログラマーだったのでモノづくりをしたい強い想いはあったのですが、具体的なところまでまだ落ちてなかったんです。そんな中、業務でDigital Transformation (以下、DX) 推進に取り組んでいたのですが、理不尽な理由や慣習によって本当にやりたいことをできない壁を感じることが多々ありました。セキュリティを理由にSlackやGitHubさえまともに導入できない環境だったので、自分の中でものすごく憤りがあったんですよね。
そういった経験を通し、私自身が世の中の非効率なものをすごく嫌っているんだなということに気づきました。そこで世の中を効率化する仕事をしたいと思ったのですが、前職で提唱していたDXという言葉が、特定の顧客向けや特定の企業向けの DX に限定されているように感じました。私としてはもっと大きく、社会的課題を解決するような DX に取り組みたかったので、せっかくだし新しい環境でやっていこうと決めました。
私の中では、ITの力で非効率なものを効率化するためには、やはり今の時代は SaaS だろうという想いがあったんですよね。そこで、BtoBのSaaSを中心に転職活動をしていた時に、Magic Momentと出会いました。
話を聞いてみると、ビジョン、価値観、カルチャーにとても共感できました。特に、「顧客の信頼という価値を定義し正しい意思決定を」というビジョンの中で、”商習慣上なんとなく決まっている、前からそうだったから継続するのではなく、正しい方向に向かっていこうとするところ”に強く共感しましたね。例えば、私は紙や印鑑をなるべく失くしてデジタル化したいと思っているんですが、代表の村尾が共感してくれて紙がとても嫌いなんだよねと話してくれました (笑)。会社として定めている5つのバリューについても違和感があるものがなく全て納得できましたし、何より村尾の人生をかけて成し遂げたい熱量ある話を聞いて心が動き、入社を決意しました。
ただ、実は選考中に辞退しようと思っていたタイミングもあったんですよね。営業という領域は、エンジニアとしてはなかなか馴染みがなく、良いイメージがなかったんです。しかし、営業に良いイメージがないということは、それだけ何か大きな課題があることのあらわれです。言い換えると営業こそ DX を進めていくべき領域なのではないか、と考え直し入社に至っています。
プロダクトで社会の仕事の仕方を変革していきたい
現在は、新しいプロダクトである「Magic Moment Playbook」のフロントエンド開発を担っています。React/Redux や Node/Express を使ってブラウザ部分やAPI部分の開発を主に担当していますね。
開発をしている時に日々考えていることは、お客様のためになっているか、ひいてはどれだけ世の中のためになっているのかということです。開発を進めていると目の前のチケットやタスクを消化することにフォーカスしがちになりますが、開発をすることによって誰がどれくらい喜ぶのか?というユーザー像やインパクトはすごく意識していますし、そもそも何でこれが必要なのかを常に考えるようにしています。
とにかく今は、Magic Momentで開発したプロダクトが世に出て使われ、プロダクトのユーザーが自分の仕事にフォーカスでき、社会の仕事の仕方が変化して欲しいと思って仕事をしていますね。
また個人としては、チームの課題を解消するためにもテックリードを目指したいなと思っています。今のチーム課題として、テックリードが1名であるため、テックリードの負担がどうしても大きくなってしまうことが挙げられますね。開発チームとしてスケールしていくためにも今後はチームを増やしていく方針であり、どうしてもテックリードは必要なので、そこで自分が目指せればと思っています。
ただ、自分がテックリードになりたいというよりは、プロダクト開発を進める上で誰かがテックリードになるべきだと考えているので、他の人がなっても全然いいと思っていますね。
圧倒的なスピード感、開発に集中出来る環境
Magic Momentの魅力は、大きく2つあると思っています。
1つ目は圧倒的なスピード感です。スピード感とは、単純に開発のスピードが早いというのもありますが、プロダクトチームがCEOを中心に機能しており、ダイレクトにやりとりができるという意味合いが大きいです。組織として全員が同じビジョン・方向を向いていて、カルチャーを大事にするということを意識してチーム作りがされているので、目指したい方向に沿わない反対意見が出るというようなことがなく、スピード感を持って開発出来ているなという実感があります。
また、お客様からのフィードバックもオープンになっていてチーム全員が確認できる状況になっており、意思決定から開発、そしてフィードバックのサイクルが回るまでの早さが魅力的だと感じています。
2つ目は開発に集中できる環境があることです。前職では、とりあえずメールを送る時にステークホルダーをCCに入れる文化があって、1日で多い時には200件もメールがきていました。それが今では、メインのコミュニケーションツールがメールではないこともあり、1日に3、4件しかメールが来ませんし、必要なことはSlackやDiscordといったツールでスピーディーにやりとりし、無駄な事務作業などはなく開発に集中できています。
また、開発チームがなるべく開発に集中できるよう、開発チーム以外のメンバーが配慮してくれているように感じます。前職では「ちょっと話を聞きたい」という理由で平気で1時間の打ち合わせを組まれることもあったのですが、現職ではそういったことはありません。
開発チームの手が1分止まれば、プロダクトの完成に1分遠のくということであり、その時間の貴重さをMagic Momentのメンバー全員が理解していると感じますね。逆に開発チームもビジネスチームの働きには感謝しかないですし、手を煩わせることがないように配慮しています。こうしたお互いにMutual Respectできている環境が魅力的ですね。
フラットで尊重しあう開発チーム
私なりに開発チームで大切にしていると感じることは3つあります。
1つ目は、コミュニケーションを大事にしていることです。朝会夕会は定期的におこなっており、SlackやDiscordを使っていつでも気軽に連絡が取れます。こういったご時世で物理的に集まることが難しい状況だからこそ、ツールを駆使してコミュニケーションは密にすることで、素早く方向修正ができているなと感じますね。
2つ目は、お互いを尊重しあっているところです。私は現在、フロントエンドが中心でバックエンドとインフラは勉強中です。しかし、チームの全員が自分の関わっていない領域の人に対しても、スキルを認め合って尊重しあっているなと感じます。自分の範囲外だから、といってやらないのではなくやれることはやりますというスタンスを大切にしていますね。
3つ目は、遠慮なく意見を言えることです。プロダクトを良くするためには、分からないことがあれば分からないというべきですし、違うところがあれば「そこは違うんじゃないか」というべきだと思います。チーム内では積極的に意見を言い合っているため、Magic Momentのバリューにある「Essential:何事も本質的に捉える」を体現しているなと感じますね。
※「Essential:何事も本質的に捉える」は旧バリュー。現在は、Core Valueの行動指針軸「GO TRUE WAY」になっています
Whyが考えられて日々成長できる人と仕事がしたい
私は、「Why?」が考えられる人と一緒に働きたいです。Whyを考えられる人は、日々成長ができる人で哲学ができる人だと思います。目の前のタスクだけに集中して、木を見て森を見ずな人とは合わないかなとは思っています。
また、泥臭いところを楽しめる人とも働きたいです。Magic Momentもまだまだ初期フェーズのスタートアップ企業ですので、決してエンジニアにとって最高の環境が用意されているわけではなくて、むしろ「今から自分たちで最高の環境をつくっていこうよ」というような状態なんですよね。例えば、Gitのコミットコメントのルールがなかったり、CI/CDの環境も最近になって構築したりと、環境を整えるところから始めていく状態です。ルールも正解も無い中で、何が最も良いのか、どこに向かっていくべきなのかを常に思考し、進めていける人が向いているのかなと思います。